さよなら


1月28日

思い返せば僕たちはこれまで月くんの心からの笑顔というものを、

一度も見たことがなかったような気がする。

実際には彼はいつでも微笑んでいたのだけれど、

彼がそのときほんとうに笑いたくて笑っていたのか、

それとも笑うより他なかったのか、

残された僕たちにはもはや知る術もない。