BRAND NEW WORLD *SAMPLE
タイトル作品ほか、竜崎視点で月を語る短編「夜と霧」2P
BRAND NEW WORLD 1月28日決戦前夜,月の前に奇妙な訪問者が訪れる。28P
「そうですか?」
竜崎がにやり、と笑ったような気がした。
「まあ、それは明日の直接対決でお見せ出来ると思いますよ」
竜崎の言葉で、僕は明日のことを思い出した。
ニアの言葉が頭に甦る。
『二十八日、午後一時でよろしいですね?』
一月二十八日、午後一時。大黒埠頭、YB倉庫。
計画に変更なし。
『はい。こちらは最初から条件など出していません』
大丈夫だ。僕には自信がある。
竜崎はソファの上で膝を抱えて親指を噛みながら、底の見えない深い井戸のような丸い瞳でじっと僕を見つめた。
「明日、ですね」