僕が生きている限りきみを待ち続ける  *SAMPLE

One Million Thanks  戦闘員マサコ  伝えたいことがもっと沢山あった 。27P





14 days before, 23 days later.   もし明日世界が終わるとしたら何をしたいと思うだろう。12P


 「もしかして竜崎、…」
したことないのか?とはさすがに訊かなかったが、言いたいことは十分伝わっただろう。竜崎は石で出来た置物になったみたいに黙り込んで膝を抱えていたが、沈黙すること数秒ののち、突然ぽっと頬を染めた。
驚いたのはその花の蕾が綻んだような頬の赤らめ方ではなく、それを見た自分の頬までもがつられたようにかっと熱くなったことだった。
「そうか……」
未経験なのか…………、と他人事なのに妙に照れ臭くて松田は顔を赤らめてぽりぽりと頭をかいた。
「デートはともかく、こればっかりは『じゃあ俺が相手してやる』って訳にはいかないからなあ…」
「いかないんですか」
「当たり前だろ!」
「…すみません」
竜崎は抱えた膝の上に顎を載せた。その仕草が妙に寂しそうに見えて、なんだか酷く冷たいことを言ったような気がして松田はうろたえた。
考えてみれば俺は、竜崎に何か楽しいこと、好きなことをして欲しくてこうしてデート(?)に連れ出した筈なのに、さっきから何故だか声を荒げてばかり居る。
反省して俯いたら、手にしたままのビデオが目に映った。
「…これでも見て勉強するか?」


飴玉の唄  シャングリラ   傷一つない竜崎の白い背中と傷だらけの松田の背中。26P